「四半期決算は不要」という議論もありましたが、ここで監査法人の目指すべき方向性を考えてみる

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こんにちは、会計士そらです!

先日、日経新聞でも「四半期決算は不要ではないか?」とする意見が紹介されていました。

内容としては、「業績を四半期ごとに区切ることで、どうしても指標として短期業績を重んじることになりかねない」というものです。

これは確かに同意するところがありまして、理想論を言えば経営者は短期的な目標に左右されず、長期的な繁栄を実現するためにはどうすれば良いのかを考えて戦略決定すべきですよね。

しかしながら四半期のタイミングで数値が外部に公表されることで、その会計期間(四半期であれば3ヶ月分)の成績を出来る限りよく見せようと短期的な戦略を取る可能性が高くなってしまいます。

投資家の視点では短期のスパンで会社の情報を知りたいのが自然な気持ちだと思いますが、その分経営者は投資家に「良い情報を見せなければならない」インセンティブが働きかねないということですね。

で、これに対して面白い意見を見つけたのですが、それは「四半期は監査法人の報酬維持に必要」というもの。

んー、クライアントに言ったら即契約切られそうな話ですが…笑

現状そういう側面もあるのかなと。

割と正直な話、財務諸表監査にかかった工数(要は監査に費やした時間ですね。)の集計をする時に気付くことが多いですが、四半期決算は予算を大きく下回る工数だったけど、期末監査でそれを飲み込むくらい工数がかさむことってよくあります。

これは、東芝事件を受けた会長通牒などで財務諸表監査の工数が純増したにも関わらず、報酬アップに頷いてくれないクライアントとの契約で顕著です。つまり、リスクアプローチに基づく監査を重視し、四半期の監査手続を減らして、期末監査に補填することでどうにか赤字を回避しているイメージですね。

なので、もし四半期レビューが純減したら赤字の案件がぽこぽこ出てくるって話も分からなくはないです。そうはいっても不健全な話ですが。

そんなこんなで物議を醸している四半期決算ですが、四半期レビューに頼らなくても平気と言えるために今後監査法人が目指すべき方向性ってなんだろうということを考えてみようかと思います!

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監査のお仕事は短期的に狙いにいく性質のものではない

まず、お仕事の性質上、財務諸表監査は短期的に売上を狙いにいく性質のものではないです。

というのも、財務諸表監査って基本的には継続案件なので、問題が起きない限りは他の監査法人に乗り換えるってことはありません。そもそも上場会社であれば契約している監査法人がある訳ですから、そこの契約を奪いにいくというのはかなりハードです。(監査法人のローテーションは話題になってますが。)

そのため、「翌年の売上を上げよう!」という方針を打ち出した時に、財務諸表監査の契約数や報酬を一気に増やそうと考えるのは現実的ではないですね。

もちろん長期的に監査契約数を増やしていくというのは監査法人の至上命題ですが、それは今も昔も変わらず、そして今後もずっと目標とされていく話かと思います。

今こそアドバイザリー、IPO!

財務諸表監査は「これからも質と効率を上げて頑張っていきましょう!」という話な訳ですが、じゃあ今後監査法人の方向性として求められるのは何かというとアドバイザリー、IPOだと思います!

ここ最近は大手監査法人でIPO新規受注がストップしていたのでどうなっているのか知りませんが、私が受験生の頃は大手監査法人の説明会にいくと「アドバイザリーとIPOに注力しているので毎年業績が成長し続けている」といった文言が当たり前に飛び交っていました。

つまり、監査法人が成長していくためには「財務諸表監査だけに頼っていたらダメなんだ」という意識が既にあった訳です。

こんな事は大手監査法人のパートナークラスであれば私なんかよりもよく理解しているかと思いますが、社会のインフラとして監査法人が会社に提供できる業務って監査だけじゃありません。

最近では収益認識基準やIFRSへの対応といったアドバイザリー業務が激アツですし、依然としてIPOを目指している企業は沢山あります。

これらの企業に積極的なアプローチをかけていくことが、将来的には財務諸表監査の仕事にもつながり、短期的・長期的な成長目標を達成する手段になるのだと思います。

アドバイザリー業務はある意味でスポット案件ではありますが、ある意味で無限にお客様がいる領域です。なので、ここに注力をかけることができれば、冒頭のような「四半期は監査法人の報酬維持に必要」という意見も解消するのではないでしょうか。

理想論を言えば、【四半期レビューが消える⇒その分のリソースをIPOやアドバイザリーに充てる】っていうのができれば最高ですね!

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