「重要性」は不当な会計処理を助長するものではない

スポンサーリンク

こんにちは、会計士そらです!

財務諸表監査の仕事をしていると、よく耳にする「重要性」という言葉。

監査手続を実施していく過程で、会計処理の誤りを見つけることって珍しいことじゃないんですが、その場合であっても「全部直してください」とはなかなかなりません。

例えば、当期純利益が5億円くらいある会社にとって、500,000円くらいの誤りがあったとしても大して重要な話じゃないですよね。

むしろそれをネチネチ言い続けてたらクレームに発展しかねないです…。

そのため、監査チームは「いくら以上の誤りなら重要って判断されるの?」というボーダーラインを予め定めておく必要があるのですが、これが冒頭で話した「重要性」と呼ばれるものです。

そしてこの「重要性」という判断基準は財務諸表監査を行ううえで欠かせないのですが…誤った使い方をしている公認会計士もいるみたいです。

スポンサーリンク




不当な会計処理を助長するものではない

実務上の配慮として、財務諸表に重要な影響を与えないのであれば原則と異なる会計処理をしても許容される「重要性」という判断基ですが、何でも「重要性が無いから〜」といって許される訳ではありません。

企業原則注解には、重要性の原則として以下のように記されています。

 企業会計は、定められた会計処理の方法に従って正確な計算を行うべきものであるが、企業会計が目的とするところは、企業の財務内容を明らかにし、企業の状況に関する利害関係者の判断を誤らせないようにすることにあるから、重要性の乏しいものについては、本来の厳密な会計処理によらないで他の簡便な方法によることも正規の簿記の原則に従った処理として認められる。

つまり、財務諸表を見た人の理解を誤った方向に導くことがない範囲で簡便的に処理するのはOKということですね。

この考え方自体は監査法人のみならず、会社においても当たり前に採用されているんですが、企業原則注解の中身を見ても分かる通り脱税や不正といった不当な会計処理を認めているわけではありません!

先日、私が関与したクライアントに意図的な脱税を認めるような助言をした公認会計士がいました。

もちろん修正することになりましたが、その公認会計士の論拠が「重要性を考えたらいけるんじゃないか」というものだったので唖然とした記憶があります…。

監査の知識を抜け穴として使うのはNG

私たちが行う財務諸表監査の目的は、財務諸表全体として重要な虚偽表示がないことの確認ですので、全ての仕訳を精緻に検討する訳ではありません。

また、冒頭の例のような少額の誤りがあっても重要性が低いと判断できればそのまま許容することが多いです。

これが落とし穴なんだと思いますが、監査に慣れてくると「重要性がなさそうだから良いや」という意識が生まれやすくなるんですよね。

そしてこの意識を抜け穴として使って、誤った会計処理を「これで問題ないはずです」と認めるのは絶対にNGです!

監査法人ではそんな教育絶対しませんけどね…。

くれぐれも、「重要性」を認めている趣旨を曲解しないよう、留意したいですね!

スポンサーリンク






コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。