公認会計士が教える収益認識基準の基礎の基礎!監査法人の中の人も絶賛勉強中です。

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こんにちは、会計士そらです!

会計業界を今まさに賑わせている「収益認識基準」ですが、強制適用は2021年4月1日以降に開始する事業年度からということで、多くの企業がまだ具体的に話を進めるに至ってません。

私が関与しているクライアントも「で、いつからだっけ?」という状況なので、今のうちにさっさとインプットしておかなければと危機感を抱いております…。

そこで、今回は私自身の勉強も兼ねて収益認識基準の基礎中の基礎、収益認識をするために必要となる5ステップの話を少しします!

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そもそも収益認識基準って何?

収益認識基準の前提となる話なんですが、今までは会計の世界において収益の認識(計上)といえば実現主義だよねということで話が通っていました。

実現主義というのは、以下の2つを満たしたときに収益を計上しようねというルールです。

・「財貨の移転または役務の提供の完了」(モノを渡すか、サービスを提供)

・「対価の成立」(お金やモノを貰う)

私の受験時代も上記のように習いましたし、ごく最近までこの考え方が全てだと思っていました。

でもその一方で、収益認識に関する包括的な会計基準はこれまで開発されてなかったんですよね。

そんな中、世界では次のような動きが起きていました。(企業会計審議会HPより引用)

国際会計基準審議会(IASB)及び米国財務会計基準審議会(FASB)は、共同して収益認識に関する包括的な会計基準の開発を行い、平成26年5月に「顧客との契約から生じる収益」(IASBにおいてはIFRS第15号、FASBにおいてはTopic 606)を公表しました。

この状況を受けて、「IFRSへの対応を進めている日本基準も開発を急がなければマズい!」となったことで生まれたのが収益認識基準です。

5ステップとは

日本でも開発が進められた収益認識基準ですが、具体的には実現主義に代わる5ステップを用いることで収益認識を行います。

その5ステップとは、以下のものを指します。

STEP① 顧客との契約を識別する

STEP② 契約における履行義務を識別する

STEP③ 取引価格を算定する

STEP④ 契約における履行義務に取引価格を配分する

STEP⑤ 履行義務を充足した時に 又は 充足するにつれて収益を認識する

うーん、分かるような分からないようなという感じですよね。

なので、それぞれのステップについて簡単に紹介しますね。

STEP① 顧客との契約を識別する

取引を行う場合、顧客と契約(もしくは注文)を取り交わしますよね。

「私はこれがほしい」とか、「このサービスを提供します」とか。

そもそもこの契約の識別がない場合に役務を提供しても「何で報酬を払わなきゃいけないの」という話になりますので、まずは「相手も合意しているよね?」というステップを踏む必要が出てくるわけです。

なお、このステップでいうところの契約の識別には、書面のみならず口頭や取引慣行による場合も含まれている点にもご留意ください。

STEP② 契約における履行義務を識別する

顧客との契約を認識した次に行う必要があるのが、収益を計上する側が「何をしなければならないのか」という義務を明確にすることです。

この話だけ見れば今までの実現主義と同じ話で、この義務を果たした時点が収益を計上するトリガーとなります。

ただし、この収益認識基準において一番の厄介な点が、1契約書につき1単位の収益認識単位とならないことです。

従来の実現主義で簡略的な説明をすると、契約書に記載されている義務を全て履行した時点で、契約書に記載されている金額分の収益を認識していました。

しかし、収益認識基準によると契約書に記載されている履行義務を分割する場合もあるし、同時期に締結した他の契約書と合わせて義務を果たさなきゃ収益を認識できないなんて場合もあることになっています。

凄い簡単な例でいうと、契約書に①ソフトの販売②保守契約が義務として記載されている場合、この①と②を分けて収益を認識しましょうねという話です。

①はソフトの検収が終われば収益を認識できますし、②は契約期間に応じて収益を認識することになりますよね。

他の契約書と合わせてという話については、実態として「10台販売してよ」みたいな話があった時に、1台ずつ契約書を締結していたとしても10台検収が終わるまで収益を認識しちゃダメですよということでしょうね。(これは元々実現主義でも言われていることですが。)

STEP③ 取引価格を算定する

これ自体は単純な話で、契約を履行した後に「いくら収益認識できるの?」という話を明確化しようということです。

基本的には契約書に記載されている金額になりますが、複数の契約書を合わせて一つの収益認識単位とした場合には、それらを合算した金額にする必要があります。

STEP④ 契約における履行義務に取引価格を配分する

契約書に記載されている履行義務を分割することがあると記載しましたが、先ほどの例でいうと「ソフト分の金額と保守契約の金額、それぞれいくら?」となりますよね。

これを決定するプロセスがこのSTEP④です。

先ほどの例でいうと、80円の契約にソフトの販売と保守契約が含まれている場合、この80円をそれぞれに分割してあげる必要があります。

もともとそれぞれを別個に販売することもあるのであれば、以下のように分けてあげれば良いだけです。

ソフト販売 80円

保守契約    20円

→ソフト販売は64円(80%分)、保守契約は16円(20%分)

もし仮に今までの取引上、別個に販売することがなかったのであれば上記のように分けて販売した場合の収益金額を算定しなくてはなりません。

STEP⑤ 履行義務を充足した時に 又は 充足するにつれて収益を認識する

ここまでくればあとは既存の実現主義と同じ!

それぞれの役務提供完了の時点をもって収益認識してあげれば良いということですね!

今後もますます理解を深める必要がある

今回の記事は、収益認識基準の基礎中の基礎を紹介してきました。

正直な話をすると、特に目新しい情報という訳ではありません。

でもこれを実務に適用するとなると、既存の収益認識取引全てについて上記で見てきた5ステップを当てはめなくてはならなくなります。

これが一つ二つの取引で済めば良いのですが、大きい会社になればこの影響度は尋常じゃないでしょう。

今後、強制適用時期に向かうにつれて数々のモデルケースや実用書が世に公表されていくと思いますが、それらを適時にキャッチアップして知識の拡充に努める必要がありますね!

ちなみに私はあずさ監査法人から出版されている本を使って勉強してます。実例も分かりやすいのでオススメですよ!

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