「それでもIPOやりたい?」IPOの主査を担当した公認会計士が明かす上場準備会社の実態

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「IPOってカッコいいし、やってみたい!」

「IPOの実態ってどんな感じ?」

特にこういった疑問を抱く受験生に向けた記事です!


こんにちは、IPOクライアントの主査として奔走していた会計士そらです!

IPOといえば受験生の憧れですよね!

私が就活をしていた時も、リクルーターから「監査法人に入ったら何をやりたいですか?」と言われて多くの受験生が真っ先に答えていたのはIPOだったように思います。

ただ、現場を経験した私からすると、入所してすぐ携われるほどそんな甘い業務ではないとも思っています。むしろ携わらせてはいけないと言っても良いかも知れません。

もちろんその現場でしか学べないこともあるので「絶対にやめておけ」なんてことはありませんが、相当にハードだということは間違いないです。

今回は、IPOの実態を正直に書いていきますので、良かったらこれを機に「本当にIPOをやりたいのか」自分に問いかけてみてほしいなと思います。

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証憑・決算資料が整っていない

これが一年目にとっては大きな壁になると思うのですが、証憑・決算資料が整っていないため、どの資料が会計数値に結びつくのかを読み解くのが非常に困難です。

例えば、一般的な感覚では契約書や注文書に基づいて売上計上し、請求書に基づいて費用計上を行いますよね。

しかしながら、IPOを目指している会社はとにかく案件を獲得することに注力していることが多いので、「正式な注文書は取り交わしてなくて、LINEでやり取りしてます」なんて会社もあるくらいです。

そのような場合に、どういった資料を用意してもらえば会計数値に結びつくのか、また、どのような資料を会社が整備するべきなのか。これを予め知っていないと無駄に時間を費やすことになります。

また、年間契約の注文を一括売上計上しているなんてことも多々ありますので、そういう場合には契約を一覧管理する資料の作成を求めなければなりません。

これも他社例に多く触れるなどして「こうあるべき」というイメージを持っていなければ話を進められませんよね。

費用の面で言うと「いつ支払いが生じるか」で請求書が管理されており、いわゆる発生主義で費用計上してない会社は山ほどありますし、決算資料に関しては「税効果ってなんですか?」みたいな話も当たり前にされます。

もちろんこういう状況の時は主査が会社にコミュニケーションするのが基本ですが、全ての勘定科目について主査が判断を下すことは実務上不可能です。つまりスタッフも自分で判断して行動する必要があります。

このような会社に経験の少ないスタッフが携わっても、無駄に疲弊していくだけで作業は一向に進まないのは明確ですよね。

「上場企業ではどうやってますか?」

いきなりIPOに携わるのはやめた方が良いもう一つの理由が、会計処理の誤りを指摘したり、資料の作成を求めると必ず会社から「上場企業ではどうやっていますか?」と聞かれます。

IPOを目指すというのは、結局のところ上場企業になるということなので当たり前の話ですよね。

もしかしたら受験生にとってはあまり魅力を感じないかも知れませんが、いわゆる”普通の上場企業監査”を多く経験しない限りこの質問には答えられません。

また、指導的機能を発揮した次に待っているのが「じゃあテンプレ貰って良いですか?」というお決まりのフレーズ。場合によってはその会社の実態に合うようにこちらで決算資料を作成する時だってあります。

こういう時に現場で求められるのが「あの上場企業ではこういう資料だったよな」と思える経験や、守秘義務に反さない程度に資料を流用することなので、そういう意味でも上場企業を経験してないスタッフは主査からすると使い物になりません。

IPOと言えどやることは監査

結構厳しめの話になってしまいましたが、結局のところIPOと言えどやることは監査です。

そのため、「(監査つまんなさそうだし)IPOやりたいです!」というのは前提を履き違えていますね…。

もちろんIPOの現場に一年目のスタッフがアサインされることだってありますが、まずは上場企業で監査の経験を積んでからIPOに携わるのが王道なのは間違いありません。

実際、監査法人に入ってから数年すると「できればIPOには携わりたくない」という気持ちになるくらいハードな業務なので、入所早々に訳も分からずただ疲弊していく道を選ぶ必要はないんじゃないかなと思います。

「普通の監査だと何か目立たないし”変わり種”の方がカッコいい!」という気持ちでIPOを選ぶくらいであれば、まずは基本の監査を学びましょうよというのが正直な気持ちです。

その経験を積んだうえで、IPOをどんどん経験すれば飛躍的に実力が向上すると思いますよ!

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