監査要点は財務諸表監査においてどのように検証するのか。実在性と網羅性について

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こんにちは、会計士そらです!

監査論を勉強していると監査要点という言葉が出てきますよね。

6つあるアレです。

受験勉強中に定義を覚えるのはもちろん大事な事ですが、実務ではどうやって検証するのかを知ることでより理解が深まるのではないでしょうか。

ということで、監査要点中を財務諸表監査においてどのように検証するのかを解説しようと思います!

今回は実在性と網羅性について!

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実在性は「本当に存在するか」

まず実在性から話しますが、実在性とは簡単にいうとその取引や資産が本当に存在するかという話です。

例えば、財務諸表を見た時に売上が1億円あったとしたら、その数字だけ見ても本当に売上が1億円で正しいのか分かりませんよね?

もしかしたら架空計上が行われてて、実際は8,000万円かも知れない。

そういう時に、実在性について「問題ないよ」と納得感(心証)を得るために監査手続を実施することになります。

つまり、この場合におけるゴールは売上が1億円実在することを確かめること。そのために監査手続という手段を立案し、実施する必要があるわけです。

では具体的にどうやって実在性を検証するのかというと、やっぱり基本は受験生が取り敢えず思いつく監査手続である証憑突合

会社のビジネスを理解すると、どのタイミングで売上計上が行われるのか分かります。

そのタイミングを客観的に示すのが受領書や検収書といった、お客様から「受け取ったよ」という証憑な訳です。

収益認識は基本的に役務提供が完了した時点ですので、その証憑の日付と売上計上日が一致してれば「確かに売上計上して大丈夫だ」と納得できますよね。

やり方としては、まず売上リスト(データ)を貰い、「これ怪しいな」とか「金額デカいな」と感じた取引を個別にピックアップして、その取引に関連する資料一式の提示をお願いします。

その他に、不正を危惧して売上全件の中からランダムにサンプル抽出して証憑突合を行うこともよくありますね。(この件数が400件とかあるので、会社から滅茶苦茶嫌がられる手続です。)

以上が基本的な実在性の検証方法ですが、ここまで見てきて分かる通り実在性は既に財務諸表に反映された取引・資産が、実際に存在するか確かめることがポイントになります。

逆に言うと財務諸表に反映されていない取引・資産の話は実在性の範疇外ですね。

この性質が前提としてあるので、実在性検証のターゲットは収益・資産項目というのが基本です。(費用や負債を多く見せたい動機は、税金を安く抑えたいという逆粉飾を除いてあまりないので、そこにリスクはないと考えます。)

網羅性は「財務諸表に反映されてるか」

網羅性は、取引や負債がちゃんと財務諸表に反映されているかというのがポイントになります。

実在性で見れなかった、財務諸表の外の動きをこちらでカバーしてることになりますね。

例えば、1億円会社名義で借りたけど、社長のポケットにINされてしまったら仕訳が何も発生しないため、財務諸表に取引・負債が反映されませんよね。

そういった事がないように、「会社が取引している仕訳(その全てを累積した結果として作成される財務諸表)に漏れはないよね」という納得感(心証)を得る必要があります。

つまり、この場合におけるゴールは会社名義の借入金が全て財務諸表に反映されているかを確かめること。

その目的を果たす具体的な手段としては、銀行に対して残高確認状を送付することが考えられます。または実査で本社へ行った時に見たことない通帳が見つかるかも知れません。

このように客観的な証拠を入手したり、実際に現物を確認したうえで勘定科目別内訳を一行一行消し込んでいけば「あ、これで全てだな」と納得できますよね。

これが基本的な網羅性の検証方法ですが、実在性とは逆に既に発生した取引・負債が、財務諸表に反映されているか確かめることがポイントになります。

ちなみに、網羅性検証のターゲットは費用・負債項目というのが基本。

会社としてはできる限り売上を多く計上し、多く資産を持っているように見せたい動機があるので、そのような取引を意図的に財務諸表に反映させないリスクはあまりないと考えます。

監査要点は実務においてとても大事!

今回は実在性と網羅性について解説しましたが、監査要点は実務上とても大事な考え方です。

財務諸表監査は個々の勘定科目に誤りがないという証拠を集めた結果として全体に重要な誤りがないと判断をするという事は監査論で習いますよね。

では、その個々の勘定科目に誤りがないかどうかを確かめるためには何をすれば良いか。

そうです、監査要点の視点に基づき監査手続を実施することです。

これでもう分かりましたよね!

私も監査論は受験時代において最もコスパが悪い科目だったので大嫌いでしたが、やっぱり財務諸表監査の実務は監査論の考え方を前提に行われます。

とても概念的な考え方が多いので頭に入りにくいですが、「この考え方は実務でどう使うんだろう」という視点を常に持って学んで頂ければと思います!

なので、TACのように公認会計士試験に合格して実務を経験した講師に学ぶのがオススメなんですけどね。

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